『ジョジョ』によって生きる希望を見出した僕にモラルを教えてくれたのはあのカルト漫画だった...
僕は中学2年生の時に肺炎になったことがあります。
40度以上の熱を出し、器官がやられてるため、食事もろくに取れず1週間で10キロ痩せてしまいました。
さらに当時14歳のため小児科の集団部屋に入院していました。
そのため同部屋の子供たちの声が煩く、頭がとても揺れるような感覚で気持ち悪かったのを今でも明確に覚えています。(子供たちに悪気はないけれども...)
そんな状況で僕はなんとか気を紛らわそうと親にTSU〇AYAである漫画を借りてきてもらいました。
その漫画が何を隠そう国民的人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』ですッ!!
今にも死んでしまうんじゃないかという状況の中でジョジョを読み、僕は酷く感動し、ジョジョの奇妙な冒険という作品の壮大なテーマと主人公達の熱い思いにジョナサンの用にハートを震わせました。(ちなみに入院してる時はまだジョジョの3巻までしか読めていない)
そんなこんなで、退院した瞬間はまるで新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のような凄く爽やかな気分でした。
ジョジョの奇妙な冒険42巻より
そして、僕はジョジョの奇妙な冒険にハマり全巻揃え、漫画を読む習慣がつくようになりました。
ジョジョは聖書とも呼ぶべき僕の教典ッ!!
まさしく僕の人生を変えた漫画と言えるでしょうッ!!
しかしッ!!ジョジョが僕の人生の道しるべを示してくれた漫画だとするならばッ!!
幼稚だった僕の考えを改めてくれた。僕の人生における2度目の転換期に当たる漫画があります。
その漫画と出会ったのは高校一年生の時です。
僕はその頃、中高生向けのチャットアプリで漫画の話をしたりしていました。
その当時、かなり僕は調子に乗っていて、『俺って漫画めちゃくちゃ詳しいんじゃね?』と思ってる勘違い野郎でした。
ですが、そう僕が思ってしまうのも無理はなかったかも知れません。
なぜなら僕より詳しい人間がそのアプリの中にはいなかったからです。
ますます僕は狭いコミニュティの中で鼻を伸ばし続け、小学生の遊び場でガキ大将を気取る中学生のようなチンケな存在だという事に気付かず、過ごしていました。
今、思い返すだけでも恥ずかしいですが、そんな僕をある漫画が戒めてくれました。
それが今日ご紹介する『ライチ☆光クラブ』です。
- 作者: 古屋兎丸,東京グランギニョル「ライチ光クラブ」
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 単行本
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この漫画は中学2年生の男の子達が秘密基地で世界を支配するロボットを作っていくというかなりハチャメチャなストーリーの作品です。
描写もとてもグロテスクで中学生の多感な男の子達が次々と死んでいってしまいます。
先程取り上げたジョジョの奇妙な冒険とは全く真逆の作品である。ライチ☆光クラブに僕はなぜ心惹かれていったのか...
それは、僕が中二病で狭いコミニュティの中で満足しているような人間だったからだと思います。
ゼラに従う少年達
その思想はかなり過激で、大人は醜い生き物だから成長する前に自殺するべきと言ったように本当に中学生か?と恐ろしくなるような考えを持っていて、とても現実離れしていますが、他の中学生達は帝王であるゼラの考えに遵守して行動し、絶対的に服従しているのです。
一見現実離れしすぎているようにも思えますが、ライチ☆光クラブで描かれていることは現実社会においても少なかれあります。
特に中学生、高校生は精神的にも成長途中で心が不安定な上、学校のクラスや部活動といったような狭いコミニュティの中の考えでしか基本的に行動できません。
そんな中で、カリスマ的な指導者があらわれたらどうなるでしょう?
きっとその人の言うことが絶対であると信じて疑わなくなるであろうと僕は感じます。
それが部活動などで良い監督で人としてとても素晴らしい指導者ならば、人間として大きく成長出来ることでしょう。
しかし、逆もまた然り、ライチ☆光クラブのような事例もあるのです。集団的ないじめなどがこれに当たります。
少なからずあるのだという事を感じたのです。
作者である古屋兎丸先生はとあるインタビューでこう語っています。
ライチ☆光クラブはね、『人を殺してはいけませんよ、という学校の先生みたいな事を僕は描いているんです。』と...
中学生が次々と残酷な死に方で死んでいくカルト漫画と思われがちなライチ☆光クラブですが、伝えたいテーマは至ってシンプルな『人を殺してはいけない』という普遍的で道徳的な中高生に対するメッセージが込められているのです。
そんなの当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、ライチ☆光クラブは自分の事を過信しすぎたりしてしまいがちな中高生に対して、自分の力を過信しすぎてしまうことの怖さと忘れてしまいがちなモラルを悪い見本として提示してくれる素晴らしい作品なのです。